好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

なぜ、山頂は涼しいのでしょうか。

ポテトチップスの袋が高い場所に行くとパンパンに膨れるのを経験したことがあると思います。これは高度が上がると大気圧が減少するからです。空気が膨らむということは風船の中にある空気が外に向かって「仕事」をしていることと同じです。下界で大気圧で押し込められていた大気を構成する分子が、高い所までくると圧力が減って活発に運動しているというイメージでしょうか。

難しい話はさておき、膨張することでなぜ温度が下がるのか、ということです。エネルギー保存の法則を考えましょう。大気を構成する分子運動も温度も、どちらも同じエネルギーだと考えます。専門家から見たら大変乱暴ではありますが、空気(色々な分子の混合物)を体積と温度と圧力というように単純に考えると、大気は上昇するにつれて自分の熱エネルギーを使って外に向かって仕事(膨張)をします。その結果、大気自身は熱エネルギーをで失うので、温度が下がるのです。理科で習った断熱膨張です。実際にはポテトチップス袋の周りの空気も既に膨張しています。

大気膨張図20110702.bmp


ところで空気は様々な分子で構成されています。酸素・窒素・二酸化炭素などですね。今は梅雨時なので「今日は蒸しますね」なんて良く会話に出ます。そう、忘れてはいけないのが水分子です。

100m高度を上げると何度気温が下がるでしょうか?良く聞くフレーズです。凡そ、約マイナス0.6℃と言われていますが、もし、気体から液体に変化する(凝縮)が起きない位、十分に乾いた空気ならば、100m高度を上げると約マイナス1℃温度は下がります。雲が湧いていることから実際の大気には当然水分子があるのがわかります。水分子が気体から液体に変化するときに凝結熱(プラス)を発生させるため、平均的に100m上昇当りの温度変化を約マイナス1℃温度ではなく、約マイナス0.6℃位になるのです。

フェーン現象を理解するのも同じ考えを利用します。

当然ですが、人が歩いて登るときだけに当てはまるわけではありません。積乱雲の中では激しい上昇気流が起きていて、つまり、激しい冷却が起きて、夕立やひょうが起きます。夏、アルプスの雷は恐いですね。

積乱雲01.jpg  北アルプス大日三山雲流れる_01.JPG


今年も暑い夏がやってきました。都会では涼しくするためには膨大なエネルギーを使わなくてはいけません。アルプスへ涼みに行こうと考える方も多いと思います。

天気予報はこれほど単純ではありませんが、参考までに、天候変化のポイントをいくつか挙げてみました。

空気が上昇して雲が発生する原因
 1:山の斜面に向かって風が吹き付けられて、空気が斜面を駆け上がる場合。
 2:上空に冷たい空気が流入すると暖かい空気中につめたい空気が沈み込むために、暖かい空気は行き場を場を求めて上昇する場合。
 3:太陽光線で地表が強く暖められたため、暖かい空気が上昇する場合。などが考えられます。
天気が悪化する原因
 1:低気圧(上昇気流)と前線の通過
 2:南から湿った空気の流入

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。