好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

体重を測るなら南の島へ

地球が自転していることは当たり前のことですが、球体(少し歪んでいますが)の地球が北極と南極を結ぶ軸を自転軸として回転しています。

地球上ではどの場所であっても自転の回転の速さ(角速度)は同じです。ですから、軸に近い北極や南極では最も遠心力が小さく、赤道では最も遠心力は大きくなります。

一方、引力は地球の中心に向かって、地球の中心からの距離に反比例で変わります。地球は回転体なので赤道付近に向かって膨らんでいるので、地球の中心からの距離は赤道付近が最も遠く、両極が短いのです。つまり、引力は赤道付近が小さく、両極が大きいのです。

さて、ここでベクトルの話になるのですが、最近は話のベクトルとか、仕事のベクトルを合わせようなどと文系の人間の中でも使われます。簡単に言えば仕事の方向性ですね。ある地点において、自転軸に垂直に働く遠心力(回転軸から遠ざかる力)と地球の中心に向かう引力とのベクトルの和が重力になります。

両極は 引力が最も大きく、遠心力が最も小さい。つまり、重力が最も大きいのです。

赤道では引力は最も小さく、その引力と逆向きのベクトルを持つ遠心力が最も大きいのです。つまり、重力は最も小さいのです。

では、私たちの住む地域は両極でもなく、もちろん赤道にあるわけでもありません。つまり、地球の中心に向かうベクトルの引力と軸から垂直に地球から離れようとするベクトルの遠心力の和となるのです。

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両極と赤道ではどのくらい重力は違うのかというと 1%程度の差があるそうです。つまり、体重計に乗って体重を測るのなら赤道で検診を受ければ小さくなるということです。北極で50㎏の人が赤道では49.5㎏、500gのダイエット?になるのです。まあ、そんなバカなことはしないと思いますが、砲丸投げ、高跳びなど力を必要とする競技は低緯度で開催するほうが良い結果が出るそうです。ついでに、海抜3000mとかの高地では空気が薄くなるので物はよく飛ぶ、速く走れるようです。低圧低酸素で肉体パフォーマンスが発揮できればですが。1968年のメキシコオリンピックでは良い記録が出たそうですから、次にもしもう一度メキシコでオリンピックが開催されたら世界記録がたくさん生まれるかもしれませんね。

北極に近いアラスカのマッキンレー山(6194m)は高緯度にあるため、低緯度のヒマラヤ山脈の6000mと比べようもなく厳しい山です。その一例をあげると、回転体である地球を取り巻く大気も赤道に近いヒマラヤには厚く、アラスカは薄いので同じ海抜で比較すると空気が薄いのです。

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