好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

過冷却水と霧氷

昨日、奈良県三重県の県境にある三峰山に行ってきました。2月のこの頃、この三峰山や高見山(登山学校では2/24にでかけます。)は霧氷を見に訪れる登山者が多いので有名です。そこで見つけた霧氷をGRⅢで撮って見ました。手持ちですからピントが甘いところもありますが。

霧氷に覆われて春を待つ木々の冬芽です。

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次の2枚は空気中の水蒸気が昇華してできた樹霜です。

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三嶺山の木々はこんな形で氷におおわれていました。

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ところで、蔵王にできるモンスターと呼ばれる樹氷とここ三峰山の霧氷とは違いがあるのでしょうか。榛原駅から出るバスは「霧氷バス」なっており、「樹氷」ではないのです。少し、霧氷について調べてみました。

霧氷は、気温-5℃以下の環境での環境で、空気中の過冷却水滴もしくは水蒸気が、樹木や地物に衝突して凍結もしくは昇華することででき、風上側へ向かって羽毛状に成長します。風が強いほど風上に成長する白色~無色透明の氷のことを言います。

学問的に霧氷は樹氷・粗氷・樹霜の3つに分類することができるようです。樹霜は写真にとってみました。

つまり、蔵王のモンスターも写真の可愛らしい氷も同じ「霧氷」の兄弟なのですね。それでも、元の樹木の枝葉の形状がそのままの形で見られる三峰山や高見山は寒いけれども何となく「儚く、優しい」感じがして「霧氷」と言ってあげたくなります。一方、蔵王アルプスのシラビソなどにできる霧氷は元の樹木の形が判らないくらいに様々な形に氷に覆われ、アイスモンスターとなり、「樹氷」と言ってみたくなるのです。

ところで過冷却水滴とは、氷点下になっても液体のままでいる水滴のことをいいますが、この水滴はちょっとした衝撃を受けると一瞬にして氷の粒となります。これを実感できる実験は結構簡単にできます。

500mlのペットボトルに、4分の3程度水を入れてキャップを閉めて、冷凍室で4~5時間、均一に冷えるように冷凍室を開けないようにします。この過冷却水を同じように良く冷やしたさらに注ぐと、衝撃で凍るのです。
もう一つ、日本酒好きのお父さんにお勧めのメニューです。美味しい日本酒を同じように冷凍庫で静かにゆっくり冷やしておきます。良く冷えたコップに注ぐとシャーベット日本酒ができます。

液体が瞬間に凍っていくヴィジュアルが楽しい、そして、あとは美味しい実験です。水は氷るとき体積が膨張しますから、うっかり冷凍庫で本当に凍った時に破裂しないように3/4位にしておきましょう。失敗したらお気の毒ですが、責任はとれません。

山里を歩くと「ロウバイ」がほのかに香る季節です。残り少ない寒さを楽しんでください。2500mを超える高い山々は5月の連休でも雪が降りますので、油断は禁物です。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。