好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

ヒマラヤの蒼い空

ヒマラヤ登山に行った時に見た空はネイビーブルーだったような気がします。80年代は今のようなデジカメ主流ではなく、ネガフィルムか一般にスライドといわれるポジフィルムを使っていました。当時の写真を今見てみると雪や氷河の白、岩の黒、そして空の紺(ネイビーブルー)が顕著なのに驚かされます。当時、空がそんな風に写る理由はフィルムにあるのだと思っていました。

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写真フィルムの持つラティチュードがポジフィルムは狭いからだと。露出やその補正に気を配っていても、コントラストが強すぎるのだと、そんな風に考えていました。

ところが、日本アルプスの3000m級の峰峰から見てみてもやはり青いのです。低山で見る空より明らかに濃いのです。空の青さは視覚情報で見る人がそのように感じる訳などで、その辺りに原因があるはずだということで気象の本を調べてみました。

太陽光線は透明に見えるのですが、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤と一般にレインボーと表現されます。実は様々な色を発色する波長を持っていて、紫外線、赤外線といわれる目に見えない波長も含まれるのです。この光の波長は紫に近いほど短く、赤いほど長いのです。これは物理上のものですからそういうものであると覚えるしかありません。波が短いすなわち細かい程、空気の分子に衝突して散乱しやすいので、地表近くにいる私たちの眼に届きにくいのです。大気中を通過する距離が近い高い山の上ではネイビーブルー・藍色の波長が散乱し切れていないからより青味が強いのです。地上であっても、頭の真上にある日中はすっきりした青です。夕方になり太陽は西に傾くと、太陽光線はより長い距離大気を通過した後に、私たちの眼に入ることになります。

夕日はなぜ赤い。の答えがここにあるわけです。太陽光線が長い距離大気を通過するうちに波長の短い紫、藍、青、緑などの成分が散乱してしまい、赤っぽい波長ばかりが残っていきます。更に空気の成分に汚れの要素を加えて考えると、印象的な太陽や赤い満月の写真に何やら秘密が隠されているような気がしてきます。


ところで、朝焼けと夕焼け、どちらが派手でしょうか。夕日のグラデーション、高層雲が赤く輝いて印象的なのは、日中のちりが残るせいといわれています。都会の夕方、満月が赤く妖しいのは人間の活動に関係があり、砂漠の赤い月には砂塵が関係するのかもしれません。

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