読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

夏山の低体温症を防ぐ

レスキュー、危急時対策 ★加藤智二

低体温症はどのような時に起きるのでしょうか。昨年夏のトムラウシ山での大量遭難は衝撃的でした。
実際の山での疲労凍死とは、低体温症になって疲労して死亡することをいいます。
一般的には冬山のような「乾性寒冷」より、夏山で風雨に曝される「湿性寒冷」の方が加速度的に低体温になります。
悪天候で体温を維持する為に、歩き続けても十分な食べ物を摂取しなければ低体温となります。
寒気を感じ、鳥肌が立ち、ガタガタ震えてきたのに適切な対処を怠り、激しい震えを起こすようになると、残された時間は少ないのです。
脳への熱供給と栄養不足によって判断力が低下して何もできなくなります。
つまり、その段階になってしまうと、自分で対処して解決することができずに死に至ってしまうのです。

では、低体温症 への対策・予防はどのようにしたらよいのでしょうか。
軽度のうちにブドウ糖など炭水化物をこまめに摂取します。つまり、ポケットなどすぐに手にできる場所に食料を入れておく必要があります。
登山では昼食という概念を捨て去り、行動食を小分けして食べるものと考えましょう。
熱を作るのは「筋肉」です。つまり、産熱活動が追い付かないのならば、軽度のうちに温かい飲み物を飲むようにしましょう。
次に、乾いている断熱性の良い衣服を重ねて着せ、防風性の高いシェルウェアを着用して熱が逃げるのを防がなくてはいけません。
湯たんぽ(水筒にお湯)やカイロなどで脇の下や股を温めて血液自体を温めることは有効です。

私たちは低体温症に対する知識を持つことと共に優れた装備を身につけることが重要です。
①:吸水速乾性が良い高機能アンダーウェア
②:断熱性の高い防寒ウェア
③:防水防風性の良いアウターウェア
④:血管(血液)が多い頭や首回りを冷やさない帽子など

低体温症予防は「優れた装備」と 強風下での行動を避け、ビバーク&早めの退避をする「謙虚な行動」と「リーダーの適切な指示」が大切なのです。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPには、自然、花、地質、鉱物などを載せています。