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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

春山遭難にご注意!

登山をするなら 登山技術 ★加藤智二

5月といえば五月晴れ。すっきりとした移動高気圧を期待したいのですが、どうも今年は勝手が違うようです。

4/29に発生した北アルプス白馬岳大雪渓での雪崩事故はとても残念な事故でした。当事者の中で分析は行われるべきものだと思いますが、天候判断以前の話として、大雪渓ルートが白馬岳登頂ルートとして良かったのか、長時間沢の中にいること自体の気味悪さを感じられない雰囲気がグループにあったとしたら、とても残念ではあります。北アルプスだけでなく、八ヶ岳中央アルプスの稜線での転滑落、落雷事例をみると相当の暴風が吹き荒れたものと思います。

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メテオテック・ラボに勤めている猪熊さんは日本山岳会の登山情報で連休前に大荒れの予報を出し、警戒を呼びかけていました。又、4/30にはガイド宛に、このような内容のメールもいただきました。参考までにご覧ください。

「現在、北アルプスでは稜線で平均30m/s前後の非常に強い風雪となっており、特に立山・剣・薬師方面では激しい降雪となっております。また、北アルプス南部でも平均25m/sを超える暴風雪となっています。今後、気温が上昇するため、上部でも次第に雨に変わるものの、今夜初めにかけて風は非常に強い状態が続き、断続的に強い雨が降るでしょう。湿雪雪崩、ブロック崩落、暴風雪・暴風雨による行動不能・低体温症、沢の増水等に十分ご注意ください。なお、本日の天気予報は15時に猪熊が発表します。 担当予報士:猪熊」

ところで、5月に入ってからの北アルプスにおける降雪は特別なことなのでしょうか。2500mを超える山岳地帯では当たり前の自然現象だということを再認識したいと思います。真冬のように長期間にわたって暴風雪にはなりませんが、短期間であっても「真冬」になるのです。雨への備えを怠ると体を濡らし低体温症も起こしたり、雨後、寒気が流入すると稜線が氷化するので丸まったアイゼンでは歯が立たないこともあります。寒気が流入してくると雷もなることもあるでしょう。下界は桜は葉桜になり初夏を迎えようとしていますが、2500mを超える高山はまだまだ厳しい世界なのです。

山で起きる天候変化や自然現象に人間などが勝てるわけはないことを再認識したいと思います。

さて、人は予報や警報などの情報が繰り返えされることで、その刺激に慣れだんだんといい加減に捉えがちになってしまうものです。個人であればなお更その傾向があるのは、我が胸に手を当てて考えれば良く納得できると思います。

しっかりしたリーダーがいる山岳会やクラブでは、過去に経験した手痛い失敗や経験を自分たちのルールとして定めているところもあるでしょう。山登りをはじめて間もない方にとって、自分の経験にだけ頼るだけでは、山で起きる様々なトラブルを事前に避けることはなかなか難しいものです。

山岳会に入会するのも良いと思います。山岳ガイドを雇い目的の山に登るのも良いかもしれません。好日山荘登山学校では登山の基礎から机上講座と実技講座を行っています。一度、覗いてみてください。

5/21(土) 山梨県 扇山  5/21(土) 南木曽岳  5/22(日) 兵庫 雪彦山 で実技講座を行います。「山やしぜんでの歩き方、休み方、食事と水分の摂り方。山や自然での危険を回避しよう。」を主なテーマに、山を登ります。

登山研修所友の会には役立つ情報がたくさんあります。

加藤ガイドのHPでは、キノコ、鉱物、水滴、自然、花、地質、鉱物などを載せています。