好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

海からやってきた南アルプス お花と岩石の密接な関係

3000mを超える山々が連なる日本アルプス。

なかでも南アルプスのお花畑の見事なのはなぜなのでしょうか。

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南太平洋のどこかで生まれた火山島にサンゴ礁(石灰岩)が成長、太平洋プレートに乗って日本列島に向って少しづつ近づく途中、深さ数千メートルの海底で石灰岩の上に珪質プランクトンの死骸が堆積して(赤色)チャートとなりました。

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北岳バットレスは素晴らしいクライミングルート、ここで足をかけ、手で攀じる堅くつるっとした岩石はチャートと言われる堅い岩石です。凡そ7000万年前と言われています。

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八本歯から北岳山荘へ向かう登山コース上の白い岩石はサンゴ礁由来の石灰岩で、凡そ1億3000万年前暖かい海で育っていました。

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太平洋プレートが日本海溝に到達すると、そこには様々な砂や泥が流れ込み堆積していきます。太平洋プレートはユーラシアプレートに潜り込む過程で、火山由来の岩石・石灰岩・チャート・砂岩・泥岩などの堆積岩が剥ぎとられて、日本列島に押し付けられていきます。日本列島の多くはこうして押し付けられた「付加体」で構成されています。

最近多くの方に理解が進んでいる「プレートテクトニクス理論」ですね。

3000mの標高までに隆起しだしたのが凡そ100万年前!

一年辺り3mmづつ高くなれば3000mですが、風化で低くなるわけなので、隆起自体はもっと大きいでしょうね。

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様々な種類の岩石が高山の厳しい環境で風化して、岩塊から砂・泥と様々な土壌を作りだすわけです。これが高山植物の種類の多さと広大なお花畑が存在する大きな理由です。

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 石灰岩が目立つ場所には可愛らしいミヤマムラサキ。

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キタダケソウは北岳特産種で梅雨時に花を咲かせるので中々お目にかかれません。

近縁種は北海道アポイ岳のヒダカソウです。

土壌の種類が多いこと、冬期には多くの積雪があることからっ様々な種類の高山植物を見ることができるのが南アルプス白根三山です。

 

登山の醍醐味と高山植物とアルプスの生い立ちを巡るツアーを募集中です。

南アルプス 花と岩石のアカデミックトレッキング

 ⇒ 白峰三山を縦走 7月13日(土)~ 16日(月) 3泊4日