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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

シルバーウイークの白馬岳   お客様によく聞かれる質問② 「すれちがい」

今年のシルバーウイークは登山愛好家の皆さんには最高の天気となりましたね。

好日山荘白馬店にも多くのお客様が登山前、登山後にお立ち寄り頂きましたが、みなさん ”にこにこ笑顔” でした。「最高の天気だった」「360°のパノラマを楽しんできた」「山小屋ぎゅうぎゅうだったー。でも、楽しかった」等、いろいろな自慢話を聞かされました(羨ましすぎて、「聞かされた」なんて言葉が失礼に 笑)。

 

自分自身はお店に居たので山に行けませんでしたが、山仲間の写真で少しご紹介。

 

晴天の白馬大雪渓

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雪渓を登りきるとお花畑が。 少し紅葉が始まっていますね。

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モルゲンローーート。 北アルプスが一望できます。 

  白馬鑓  穂高 槍 水晶 黒部五郎 雄山 別山 剱  f:id:saruatsushi:20150924153247j:plain

 

続きまして。よくある質問パート2です。

 

白馬大雪渓は雪渓の終了カ所で「夏道」と「秋道」の2通りの道があります。

夏道は雪渓の最上部で雪渓を降りて、直接道に降りるのですが、

雪渓が溶けて短くなると、最上部から降りるのが難しくなり、少し手前で雪渓を降りて斜面をトラバースするようにして夏道の最下部に100m程移動が必要です。ここが秋道と呼ばれています。

 混雑していない時期は問題ないですが、お盆や連休中は道幅が狭い秋道のすれ違いが大変です。お客様から「渋滞でした」「登り優先を守らない方がいる」「下りでずっと待つはめになった」との声が多かったです。

 「登り優先」この登山のマナー・ルールが一般的になっていますが、秋道を通るときにいつも思うのが、「登り優先」をあまりにも気にしすぎている方が多いということです。実は、ガイドや山のベテランさんは「登り優先」を実践しません。「臨機応変に、安全に、無駄なくすれ違う」を意識しています。

 

臨機応変: *上り下りのどちらが優先というのではなく、すれちがいやすい場所で待てる方が待ってあげる。*登りの方が疲れているのであればすれちがいを利用して休憩する(良い人と感謝される&休めると一石二鳥!!)。

 

安全: *すれちがいに十分なスペースがあればその場所まで行ってから待つ。*山側で待つ&谷側を通らせる場合は待つ方は動かない。*すれちがい中にバックパック等がぶつからないように注意する(アイゼンをバックパックにぶら下げたまま歩くのはやめましょう)。*無理に路肩に寄りすぎない(「そんなに避けなくても通れるのに・・・もしかして、私が汚れてる?臭う・・・!?」ってことが良くあります)、より過ぎると滑落や落石を起こす危険性があります。*相手に待ってもらいたいときは「すいません。通らせてくださーい」と(笑顔で)声をかける。

 

無駄なく: *待つ時間が長くなり過ぎないように(すごく手前から待っている方を良く見ます)安全な範囲で出来る限り近づいてから譲る。*道幅が広く待たなくてもすれ違えるのであればお互いに進みながらすれ違い、すれちがう瞬間だけお互いに気を付ける。*下りの方が移動スピードが早いので、上り側が待つ方が待ち時間が少ない。

 

登山シーズンは多くの方が登山を楽しまれますが、以上のようなことを皆さんが頭に入れながら歩いて頂くと、安全且つ、スムーズ・スマートにすれ違うことが出来ると思います。山ですれ違う人はみんな同じ趣味を持つ仲間なので、笑顔で気持ちよくすれちがえるといいですね。

 

追記: コラムを見た先輩国際山岳ガイドさんや山仲間の国際山岳医さんから、コメントを頂いたので追記します。

国際山岳医 高濱先生より「登り優先は『登りのほうが体力的に辛いから』のみと認されていますが、実際には下りの人のほうが落下エネルギーが加わるためすれ違った人をはじき飛ばす、登る人が止まっている下りの人にぶつかっても弾き飛ばすだけのエネルギーはないことから、安全面を考えて登り優先を推奨されている。ほとんどの登山者がこのことを認識されていない。下りの人を待ってあげる際は、より安全な場所で待つようにしてくださいね」

国際山岳ガイド近藤謙司さんより「絶対に登り優先というスタイルが多すぎるのは問題。登山先進国の欧米ではありえないよね。ヨーロッパの登山者のすれ違いは本当にスマートでかっこいい。是非、臨機応変安全に!!上手にすれ違っている人をお手本にしてくださいね」

 

なかなか、最高のすれちがいを実践するのは難しいですが、お互いが気持ちよく、安全にすれ違いたいです高濱さん、近藤さん ありがとうございました。