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好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

地球からの贈り物 鉱物  VOL.14 「灰重石(タングステン鉱)」

★加藤智二 山の地質学

タングステンと聞いて電球のフィラメントを頭に思い浮かべた人は私同様、昭和の人かもしれません。今はLEDの時代ですからね。

比重が金(gold)に近く、融点は3380度ととても高い希少金属です。

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写真は中国四川省のタングステン酸カルシウム(CaO4W)です。

鉄鋼に添加すると硬くなるので切削工具で使われる重要な金属です。比重が重く硬いことから砲弾や戦車の装甲など軍需利用もあり、古くからの戦略物質です。

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日本有数の灰重石鉱山に山口県の喜和田鉱山があります。紫外線を照射すると青白く光ります。この鉱山では紫外線ライトで照らすと坑内が青く星空のように光ったのでしょうか。下の鉱物は喜和田鉱山産で石英脈のまわりに硫砒鉄鉱と灰重石、黄金色に見えるのは黄銅鉱でしょうか?

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数億年前に堆積した石灰石(CaCO3)が日本列島にやってきて、そこにマグマからの熱水が貫入することでこの鉱床ができました。熱水には微量なレアメタルが高温高圧で溶け込んだもので、貫入した先の成分と反応しながら温度と圧力が下がるにつれ様々な種類の鉱物が結晶していきます。いわば、自然の精錬所です。

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キラキラした針のような石英の中に暗赤色の柱状の結晶が「マンガン重石」で、タングステンとマンガン(MnWO4)の鉱物です。南米ペルー産です。

真夏の暑さからアルプスへ。今年の夏山が楽しい思い出になりますようにお祈りしています。

8/8~9は白馬のイベントでお待ちしています

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