好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

地球からの贈り物 鉱物  VOL.12 「重晶石(北投石)」

温泉が大好きな人で「ラジウム温泉」という名を聞いたことが無いという人は少ないのではないでしょうか。あの有馬温泉にある泉源のひとつにもあります。

山梨県にある増富温泉はまたの名を増富ラジウム温泉ともいわれています。放射能泉の効能に関してはここでは触れませんが、全国には多くの癒しの温泉が長年にわたって親しまれてきたのは間違いありません。

今回ご紹介する北投石(ほくとうせき)と呼ばれる鉱物は台湾の北投温泉で発見された鉱物です。正直言って地味です。地味すぎます!この石に含まれるラジウムから放射線が出ているようです。

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学術的には独立種ではありません。「含鉛重晶石」と呼ばれ重晶石の亜種です。

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世界でも台湾台北州七星郡北投街(現在の台北市北投区)の北投温泉と日本秋田県の玉川温泉からしか産出しません。「玉川温泉の北投石」は、大正11年(1922年)に天然記念物に指定され、昭和27年(1952年)には特別天然記念物に指定され保護されています。

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北投石の組成は (Ba,Pb)SO4 で、およそBa(バリウム):Pb(鉛)=4:1の割合で含まれる。放射性のラジウムを大量に含む温泉沈殿物重晶石(硫酸バリウム)です。

硫酸バリウムといえば健康診断で飲まされるのも硫酸バリウムですね。余談ですが、塩化バリウムというものもあり、こちらは毒性があり劇物指定物質です。元素って不思議ですね。

明治38年(1905年)に北投温泉付近の川で発見、この鉱物がラジウム等を含む放射性を持つ北投温泉独特の鉱物と考えられたようです。大正2年(1913年)に東京帝大の鉱物学者によって「北投石」と命名され、昭和8年(1933年)に台湾総督府によって天然記念物に指定されました。現在の台湾(中華民国)でも、2000年に北投石は「自然文化景觀」に指定されているので採取することはできません。何か秘められたエピソードがありそうですね。

花崗岩をはじめ私たちの日常を取り巻くあらゆる物質からは常に弱い放射線が出ているそうです。どんなものに対しても正しく認識、正しく恐れ、程よい距離感で付き合う姿勢が大切だと思います。もっといろいろ調べて見なくては!

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