好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

山の自然学

北アルプス槍ヶ岳の氷河地形から槍ヶ岳

テッペンに立ってみたい山ランキングでは必ず上位にくる槍ヶ岳! 皆さんはどのコースから目指しますか? 下の写真は北穂高岳からの槍ヶ岳です。 多くの方が最短で頂上を目指すコースは槍沢ロッジに一泊して、槍沢コースを往復ですね。 ところで上高地が何で…

外来帰化植物 VOL.01 「オオイヌノフグリ」

里、畑の畦や道の脇に目に入る青くて小さなオオイヌノフグリ。ヨーロッパ原産のオオバコ科クワガタソウ属です。全国いたるところで見ることができます。オオバコ科は強いのでしょうか。 名前の由来に触れない訳にもいきませんが、果実の形から「犬のふぐり」…

雪への理解を深める VOL.02 「雪の縞々は気象の記憶装置」

降り積もった雪は圧縮(圧密といっています)され、融ける一方、更に上には雪が積もっていきます。この現象は5月ゴールデンウィーク頃まで繰り返され、夏から秋に向っては減り続けていきます。雪山登山の知識とスキー技術があれば、これからはまさに最高に楽…

雪への理解を深める VOL.01 「日本は雪国、雪の重さにご注意を」

雪が降る!と言えば冬のイメージですが、ユーラシア大陸の東端と日本列島の間にある日本海からたっぷりと供給される水分と冷たい北からの気流のおかげで、標高の高い脊梁山地には、秋の初めの9月末から春5月末位までの10か月は降雪があります。下の写真はあ…

冬の自然現象をチェック!  「吹き溜まり雪・雪庇」

2017年2月19日、滋賀県比良山系の最高峰 武奈ヶ岳。今年は雪に恵まれ雪山登山を楽しむことができました。登山学校にご参加いただいた皆様、楽しんでいただけたでしょうか。アルバムも作りました。2017/02/19_武奈ヶ岳 アルバムのURLhttp://30d.jp/katomoji/…

冬の自然現象をチェック!  「表面霜・樹氷・ダイヤモンドダスト」

温暖化が進んでいるとはいえ、山に登ると気温は下がり、寒気が日本列島に入り込むと各地で過冷却水による様々な自然現象を見ることができます。先日、立派な表面霜を見つけました。 上空に寒気が流入、放射冷却で雪面が冷やされたところに、過冷却水をたっぷ…

香りで覚える山の植物 VOL.02 「サクラ」

街路樹の桜がアスファルトの上を舞う季節となりました。低山を歩くと赤や黄色の賑やかなこと!春の桜も良いですが、この季節、桜の紅葉も目を楽しませてくれます。雨上がりや朝露に濡れた桜葉の近くに来たら、目を閉じてみてください。 桜餅を思い出す人もい…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.25 スカイブル- 「胆ばん」  空はなぜ青い?

胆礬(たんばん)chalcanthite は硫酸塩鉱物。化学組成は硫酸銅の5水和物(CuSO4・5H2O)です。水によく溶けるので鉱物標本はラップしてジップロックに保管しています。岩石の割れ目、隙間に入り込んで結晶したのが良くわかります。 水に溶けるとその水溶液…

行ってみた島の山 VOL.02 「小豆島 星ヶ城山」

瀬戸内海の大きな島で淡路島に次ぐ大きな島です。行政区分は四国香川県ですが、多くのフェリーが通っているので、兵庫県からも便利です。「吉田の岩場」はクライミング好きなら耳にしたことがあるかと思います。 「二十四の瞳」の舞台でもあり、オリーブ、手…

登山と気象の関わり VOL.01 「季節の変わり目 秋の嵐にご注意」

猛暑が当たり前となった近年ですが、四季のある日本では春5月、秋10月は季節の変わり目に起きる気象遭難が忘れそうなタイミングで発生しています。 1989年10月の立山、2006年10月の白馬岳と奥穂高岳、2012年5月の白馬岳など記憶にある方も多いかと思います。…

一度は行ってみたい島の山 VOL.01 「屋久島 奥山縦走 宮之浦岳」

何度か行ったことがある山でも繰り返し訪れたい島、屋久島は2000m近い高峰があるだけでなく、植生の垂直分布がすばらしいです。 地下深くでマグマが固体化した花崗岩を基盤とし日本列島が形作られた1500万年前くらいから姿を現し始めたといわれています。 7…

この時期いやされる花

加藤ガイドのように綺麗に撮れませんが、 今瑞牆山方面は じゃくなげ ツツジが満開です。 クライミングのアプローチ途中に出会うと癒されます。

地球からの贈り物 鉱物 VOL.21  「硫砒鉄鉱」

硫=硫黄=S、砒素=As、鉄=Fe、三つの元素の化合物である硫砒鉄鉱です。硫黄はマッチなど火薬で昔から利用され、砒素は殺鼠剤など一時代は日常に身近な元素でもありました。 光化学スモッグや鉱山廃液による公害が社会問題となった時代に学生時代を過ごし…

春の兆し VOL.04 「秋の主役 モミジ の花」

里山を四季を通じて歩くと色々なものが見えてきます。秋に艶やかな錦の衣装を纏うモミジが若葉を広げる4月、小さな花を咲かせているのにお気づきですか。 木々の花に昆虫が集っているようには見えません。動き回ることができない樹木がどのよう子孫を残す工…

春の兆し VOL.03 落ち葉の季節を迎えた 「クスノキ」 

サクラの花咲く四月は新しい門出を迎える人も多いかと思います。落葉樹の枝先は赤らみ、今にも新芽を広げる間近です。山にも生え真冬でも緑の葉を広げる常緑広葉樹、中でも神社や公園の大木でおなじみの「クスノキ」は4月に入る今頃、葉緑素を失い赤くなって…

2016、出会った生物 VOL.01 「蝶 ヒオドシチョウ」

雪がすっかり消えてしまった滋賀県 武奈ヶ岳。澄み切った青空の元、琵琶湖の向こうには雪を頂いた名峰白山がどっしりと輝いていました。 加賀白山だけでなく、北アルプスの峰々が横たわる方に目を移すとひときわ高いからでしょうか、乗鞍岳、御嶽山まで見え…

奥穂高岳(冬山の危険性)

3連休は奥穂高岳に登ってきました。 積雪期は涸沢岳西尾根という尾根沿いのルートからです。 入山日は雨で暖かく、何回か雪崩の轟音が響いてました。 これは蒲田富士の稜線。小さいですが雪庇の縁を歩きます。そして右側の滝谷側は多分前日でしょうね、雪崩…

春の兆し VOL.02 「マンサク」

雪山にご無沙汰の今日この頃です。一日しかお休みがなければ、春を探しにの山へ出かけましょう。 アルプスは5月の連休頃までは春から冬へ逆戻りするエリアです。上空の寒気の南下を意識して入山してください。元の地山地形も積雪で様々な形に稜線は変化しま…

スプリングエフェメラル 「カタクリ」も戸惑う2015年spring

雪解けが早い、というより雪自体が積もらなかった所も多い2014の冬、待ち遠しい春の山に色を添えるのは「まんずさく」のマンサクでしょうか。大人しい黄色の花ですが、モノトーンの野山に真っ先に色彩を加える先駆けです。3月の中旬からはカタクリの清楚な紫…

自然現象の楽しみ VOL.01 「ダイヤモンドダストとサンピラー」 

冬の自然現象、痺れる寒気に鼻孔の奥がうずくようだと空気中の水分はどうなっているのでしょうか。北海道などの寒冷地であれば多くの人の眼に触れるわけですが、氷晶が空中を漂う気象条件があれば、日本の各地で観察できるようです。 西穂稜線から暮れゆく太…

白い話題が増えてきましたが、今年の紅葉を振り返ってみました。

日本の秋は「錦秋」といって、平安の歌に歌われるほど日本人の感性に響くものですね。「もみじ」の語源も「もみづ、染色する」からといいます。 4月から毎月、京都トレイルを小分けして歩いてきました。昨日は高雄高山寺から化野念仏寺は清滝川に沿って歩く…

国立登山研修所友の会が主催する山を楽しく深く知る「研究発表会」が開催されます。

富山県立山にある国立登山研修所では毎年多くの登山者が研修を受けています。私も長く関わってきたわけですが、毎年、各地で研究発表会を開催しているので、ご紹介いたします。どなたでも大歓迎です。 今回は今月25日(日曜日)名古屋駅前「ウインクあいち」…

ひと月ぶりです。山からの贈り物 VOL.01 「ブナ」

10月の連休に入りました。今年、標高の高い山々の紅葉は足早に過ぎ去り、稜線はモノクロの世界に。日本は南北に長く、低山から高山まであるので、まだ2か月近く様々な秋模様が楽しめますからご安心を。 山から下りてくる秋はこれからが美しい姿を見せてく…

山の帰りに立寄りたいジオサイト VOL.01 「厳立峡」

9月になりました。お盆を過ぎて引き続き前線が行ったり来たり。湿った空気が流れ込み雨ばっかり!ガイドの友人も試練の時を過ごしています。 北アルプス笠ヶ岳の帰り道に岐阜県小坂の厳立峡に立ち寄ってみました。いきなり寄りの写真ですが、もう!立派な柱…

山のぼりで出会う自然学 VOL.04 「涸沢氷河 モレーン 」

涸沢が北アルプスにある氷河地形のひとつであるのは有名です。横尾を出て登山道の傾斜が緩くなり大きく沢を回り込むと視界が開けた場所に出ます。今年の冬の大雪崩で大きなダケカンバが吹き飛ばされたところです。ここからは南岳のカールを望むことができま…

山のぼりで出会う自然学 VOL.03 「氷河地形 」

白馬岳へ登る「大雪渓コース」は100年以上登山者に愛され続けている有名なルートです。 白馬岳を含む連峰はフォッサマグナの西縁にあたり、糸魚川静岡構造線が走っている険しい壮年期の山々です。飛騨外縁帯に位置していて、古生代から中世代のバラエティに…

自分のカメラを使いこなそう。 VOL.02 「Mモード 輝く星空にチャレンジ!」

都会から離れた山の中、夏山の素晴らしさに華を添えるのは満天に輝く天の川とペルセウス流星群でしょうか。下の写真「吊尾根にかかる天の川 涸沢にて。 2014/7/25 f2 ISO6400 8秒」この時は三脚は無かったので、テーブルの上に帽子でカメラを安定させ、セル…

夏に覚える高山植物 VOL.16 「ミヤマアズマギク」

キクの仲間でアルプスの稜線で出会うと、ちょっと違和感を覚えるくらい艶やかな印象を受けます。如何にも菊らしい佇まいなのです。 アズマギクという園芸種もあるわけですが、早朝出発し、露が朝日を受ける姿は高山植物の気品が感じられます。 北海道の「ア…

夏に覚える高山植物 VOL.15 「ウラシマツツジ」

本州中部山岳地帯から北海道までの高山に生えるウラシマツツジの花を見たことはありますか?ツツジ科の落葉小低木で、ツツジなんだから花ぐらいすぐに見つかるだろうと長い間真面目に観察もせずにいました。 6月末大雪山 釣鐘型のクリーム色の小花が昨年の枯…

山のぼりで出会う自然学 VOL.02 「中央構造線 安康露頭」

南アルプス塩見岳に登るのに、鳥倉登山口から三伏峠へて、層状で赤く堅いチャートが露出する稜線を歩くコースが地質好きにはお薦めです。 このコースの面白いのは登山口附近の林道脇に点在する白っぽいテーブル上の石灰岩など、日本列島がはるか昔、海洋プレ…