好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

山の地質学

青空の屋久島 洋上アルプス 宮之浦岳・永田岳へ

少し気が早いですが、10月末の屋久島をご紹介します。この時期の屋久島登山は紅葉というより晴れ狙いですね。淀川小屋付近なら秋らしい紅葉も少しありそうです。 昨年の屋久島登山の様子はこちら。 アルバム「2016年11月3日~6日 屋久島宮之浦岳縦走アルバム…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.30 ヒマラヤの青い空 「ラピス・ラズリ」

青金石といいます。ラズリとは群青という色のことでこの石を手に取ると、1985年に訪れたパキスタンヒマラヤ・カラコルム・ガッシャーブルムで見た濃く深く青い空を思い出します。 鉱物マニアとしては結晶の面が残っているのが好みです。 ベースの白い鉱物は…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.29 蛍光鉱物 「燐灰ウラン鉱」

紫外線を照射すると美しい黄緑色の蛍光を発するウラン鉱物です。可視光線よりエネルギーが高い紫外線が鉱物にあたると、原子の中にある電子のエネルギーが高くなります。一時的に高くなったエネルギーが放出されるときに見える光が「蛍光」です。 これはドイ…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.28  「スズ石」

スズ、錫は青銅器時代。銅との合金が青銅が有名です。中国産のスズ石です。白い鱗片状の白雲母のほうが目立ちます。 こだわりの錫カップなど自宅で使っている方もいるでしょう。左は本錫のタンブラー、右は開花堂の錫茶筒。 半田に使われたり、鉄材にメッキ…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.27  「鶏冠石 と 石黄」

鮮やかな紅葉と言えない秋シーズンの評判ですが、赤みが少ないものの黄色が美しい紅葉に出会うことができました。 植物の場合、鮮やかな黄色はカロチノイド、赤色はアントシアニンという物質ですが、今回27回目にご紹介するヒ素鉱物の鶏冠石・Realgar は鮮や…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.26  「安銀鉱」

これほどデジタルカメラが普及する前は写真といえば、銀を利用したフィルムが普通でした。80年代に出かけたヒマラヤ登山では36枚撮りのポジフィルムを何十本も購入し、X線防護袋に入れて出国しました。7000mを超える高度で一眼レフカメラのストラップにフ…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.25 スカイブル- 「胆ばん」  空はなぜ青い?

胆礬(たんばん)chalcanthite は硫酸塩鉱物。化学組成は硫酸銅の5水和物(CuSO4・5H2O)です。水によく溶けるので鉱物標本はラップしてジップロックに保管しています。岩石の割れ目、隙間に入り込んで結晶したのが良くわかります。 水に溶けるとその水溶液…

山を形作る岩石シリーズ VOL.03 「赤色チャート」 と 荒川三山縦走

秋雨にたたられた秋の日本列島、山小屋のスタッフがやきもきした2016年の秋。前線の動きを見守りながらも南アルプス荒川三山に行ってきました。次の11月初旬は良い天気になってほしいものです。 荒川小屋に束の間の光が差し込みました。 南アルプスは別名「…

一度は行ってみたい島の山 VOL.01 「屋久島 奥山縦走 宮之浦岳」

何度か行ったことがある山でも繰り返し訪れたい島、屋久島は2000m近い高峰があるだけでなく、植生の垂直分布がすばらしいです。 地下深くでマグマが固体化した花崗岩を基盤とし日本列島が形作られた1500万年前くらいから姿を現し始めたといわれています。 7…

山を形作る岩石シリーズ VOL.02 「凝灰角礫岩」

そろそろ夏の終わり。葉緑素の働きが低下、分解してきたので、山々を覆う草木が黄色味を帯びてきました。 槍沢をたどり、氷河公園から南岳と中岳の稜線を通って槍ヶ岳を歩くとき、天狗池に映る槍ヶ岳や赤く色づくナナカマドのトンネルを抜ける素敵な景色が続…

登山と温泉 VOL.01 「中房温泉」

この一帯は有明花崗岩という岩で覆われています。その特徴は燕岳の稜線の様子は特に有名です。 北アルプス燕岳の登山口にある中房に湧く温泉はとても熱く、地表には湯気がモウモウと立っています。焼岳のような活火山も無いのに、中房温泉はとっても熱いです…

氷河の跡をたどって槍ヶ岳!

本格的な夏山!と言いたいところです。が、まだ不安定な状態ですね。 8月1日から3日、多くの登山者を迎える北アルプス上高地から槍ヶ岳に行ってきました。槍ヶ岳が見えるうちにと大喰岳でまずポーズ! 今回は槍沢ロッジに宿泊し、氷河公園を通るコースです。…

山を形作る岩石シリーズ VOL.01 「花崗岩」

青い空に白く輝く岩峰、照りつける夏の日差しを照りかえる白い岩肌。そんなイメージがある花崗岩のお話です。 北アルプス 燕岳 9/1-4にツアー実施します。 南アルプス 甲斐駒ケ岳 花崗岩は石英と長石と雲母を主な構成鉱物とした地下深くでゆっくりと、ゆっく…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.24  「バナジン鉛鉱」

原子番号113番の空白に日本で発見された物質が6/9、「ニホニウム」と名付けられました。30番の元素亜鉛を83番の元素ビスマスに加速器で核融合させてできた元素だそうです。寿命が千分の一秒なので、鉱物結晶としてみることができないです。今回の鉱物は鉛と2…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.23  「輝水鉛鉱 と モリブデン鉛鉱」

登山用具の中で雪山登山に欠かせないクランポン。(シュタイク)アイゼンとも言います。古くは鍛造された鉄でしたが、私が登山を始めた頃、最初はタニ製のアイゼン、次にクロモリ、クロムモリブデン鋼で作られたものが出回りました。このモリブデンの鉱石は…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.23  「若草色の鉱物たち」

新緑が美しい時期です。今日は北播磨エリア西脇市の白山を楽しみました。来月5月28日は加西市善坊山と笠松山です。 まずは灰クロム柘榴石(ウバロバイト)。クロムとカルシウムを主成分とするガーネットであまり大きな結晶にならずに皮膜状になっています。 …

地球からの贈り物 鉱物 VOL.22  「淡紅銀鉱」

ルビーシルバーとも言われるほど金属光沢、紅色のヒ素を含む銀の硫化鉱物です。鮮やかな紅は退色し易いということに少々怯えて暗がりに置いてあります。 銀は貨幣として古くから金と共に流通している重要な金属です。針状に結晶したものもあります。 優れた…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.21  「硫砒鉄鉱」

硫=硫黄=S、砒素=As、鉄=Fe、三つの元素の化合物である硫砒鉄鉱です。硫黄はマッチなど火薬で昔から利用され、砒素は殺鼠剤など一時代は日常に身近な元素でもありました。 光化学スモッグや鉱山廃液による公害が社会問題となった時代に学生時代を過ごし…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.20 「銅を含む鉱物たち」

久しぶりに鉱物標本を引っ張り出してみました。銅は大昔から様々な合金として使われてきました。銅単体で結晶するものもありますが多くは化合物として産出します。古来より岩絵具の群青として使われた藍銅鉱(アズライト)は炭酸塩鉱物です。 炭酸が抜けてい…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.19 「ピンク色のイネス石」

河津桜が見ごろを迎えているようですね。河津桜は、日本にあるサクラの一種で早咲きのあでやかなピンクが特徴ですね。オオシマザクラ とカンヒザクラの自然交雑種だそうですが、その原木は静岡県河津町にあり今まさに花盛りだそうです。 こんな色の桜並木を…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.18 「光と遊ぶ オパール」

日本人が好む宝石にオパールがあるそうです。亡くなった母もそういえばメキシコ産のファイアーオパールを持っていました。メキシコ産のオパールは火山の溶岩の中でできるようで、オレンジ色のゼリーの中に様々な色がゆらめいていました。下の写真はもう一つ…

島の山 VOL.01 「瀬戸内の山 小豆島の星ヶ城山」

今さらですが、日本の国土領土は全てが島から成り立っています。沖縄本島、九州、四国、本州、北海道の五つ以外は6847の離島という区分らしいです。 さてと、朝、布団から抜け出すのがちょっとばかり億劫になっていませんか。12月に入って山歩きの出番が減っ…

裏六甲の断層か?

今月18日に実施する六甲山全縦コース4分割第二回目のスタートは神鉄谷上駅から炭ケ谷からシェール道、シェール槍、穂高湖、徳川道、桜谷から摩耶山、稲妻尾根から市ケ原、太龍寺、再度山、鍋蓋山、菊水山から鈴蘭台のコースです。 炭ケ谷にあった手で崩せる…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.17 「硫酸鉛鉱 Anglesite」

生体に有毒なのに大昔から付き合いが長い鉛の鉱物、その中でも最も美しいと思っている硫酸鉛鉱のご紹介です。 鉛はバッテリーに必須な鉱物で長く私たちの日常生活向上に役立ってきました。今ではその主役はリチウムなどにとって代わられつつあります。柔らか…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.16 「鋭錐石 Anatase」

酸化チタンの結晶で黒く見えるのですが、何とも言えない深い青色をしています。鋭い錐形であまり大きい結晶がないですが、私のお気に入りはパキスタンで産出された小さな水晶がびっしりと集まったベットにたくさんの鋭錐石が散らばったものです。 大きい結晶…

国立登山研修所友の会が主催する山を楽しく深く知る「研究発表会」が開催されます。

富山県立山にある国立登山研修所では毎年多くの登山者が研修を受けています。私も長く関わってきたわけですが、毎年、各地で研究発表会を開催しているので、ご紹介いたします。どなたでも大歓迎です。 今回は今月25日(日曜日)名古屋駅前「ウインクあいち」…

山の帰りに立寄りたいジオサイト VOL.01 「厳立峡」

9月になりました。お盆を過ぎて引き続き前線が行ったり来たり。湿った空気が流れ込み雨ばっかり!ガイドの友人も試練の時を過ごしています。 北アルプス笠ヶ岳の帰り道に岐阜県小坂の厳立峡に立ち寄ってみました。いきなり寄りの写真ですが、もう!立派な柱…

地球からの贈り物 鉱物 VOL.15 「緑鉛鉱」

PO4 で表される燐酸基をもつリン酸の化合物の中で「鉛」との化合物の緑鉛鉱は若草色の美しい鉱物です。 黄色味がかった緑のものもあります。 六角柱ですが、ビヤ樽のように膨らむものも多いです。中国産が鉱物標本としてよく出回っているようですが、日本の…

山のぼりで出会う自然学 VOL.03 「氷河地形 」

白馬岳へ登る「大雪渓コース」は100年以上登山者に愛され続けている有名なルートです。 白馬岳を含む連峰はフォッサマグナの西縁にあたり、糸魚川静岡構造線が走っている険しい壮年期の山々です。飛騨外縁帯に位置していて、古生代から中世代のバラエティに…

地球からの贈り物 鉱物  VOL.14 「灰重石(タングステン鉱)」

タングステンと聞いて電球のフィラメントを頭に思い浮かべた人は私同様、昭和の人かもしれません。今はLEDの時代ですからね。比重が金(gold)に近く、融点は3380度ととても高い希少金属です。 写真は中国四川省のタングステン酸カルシウム(CaO4W)です。 …