好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

公共交通機関では

f:id:asahiryuta:20201230194038j:plain当たり前の事ですが、電車やバス、ゴンドラやロープウェイ、ケーブルカーなど様々な人が利用する乗り物では荷物が邪魔にならないように配慮しましょう。


・ポールなどの突起物は、バックパックの中に入れる、入らない場合は手にもつ。またはトートバックなどに入れる。バックパックのウェストベルトを後ろに回して固定しておくとよりスッキリしますね。ハイドレーションを家からセットされる方もいらっしゃるようですが、山より障害物が多い移動中にロックが外れ漏れたり、引っ掛け破損する事もあります。飲料ボトルもラゲッジ等に入れる際は邪魔ですし、逆さになって落ちたりします。※よくバスの荷台で誰の物か分からないペットボトルが転がってますね。


全ては山についてからセットするのかオススメです。熊鈴などもそうですね。大切な物はカバンの中にしまいましょう。乗り物に乗車する際には荷物は背中から降ろして自分の足下に。子供やお年よりなど様々な方が乗り物には乗っています。カッコいいと思う諸先輩方を見て学ばせていただいた事ですが周りに配慮してスッキリスマートな行動とルックスを保ちたいですね。


※立山アルペンルートにある看板

良いお年を。

今年も好日山荘登山学校にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

今の社会情勢を1年前には想像すらできませんでした。社会が変わり、人々の思考も変わりましたが、山に変わりはありません。登山をやってて良かったと改めて感じる事の出来た1年でした。f:id:yoshida1487:20201230160826j:plain

年末年始は広い地域で悪天予報が出ています。計画通りの行動ではなく、中止できる計画を持って山にお出掛け下さい。1歩間違えば、山が危険な場所であることに変わりはありません。

雪山に行ってみたい方、初心者の方、まずはガイド登山で雪山の基本を学んでみてはいかがでしょうか。今シーズンは雪がたっぷり楽しめそうです!

雪山講座は>>>コチラから ご参加お待ちしております!

寒さ対策、隙間を埋める。

いきなり寒いです!広島市内の山間部もスリッピー。f:id:yoshida1487:20201217111821j:plain冬山は寒さ対策が重要ですが、寒さの方程式は単純に、気温+風+濡れの足し算によって決まります。温かく、風を通さず、濡らさないレイヤリングという事ですね。加えて、ちょっとした工夫が大事になってきます。特に冷えやすい部位は、顔(頭部)、手先、足先の末端部です。顔はバラクラバやフェイスマスク、手先はグローブ、足先は靴、靴下で保温しますが、冷えやすい末端部だけを保温するだけでは不十分です。 

ちょっとした工夫は、末端部に接する各首を保温する事です。顔なら首元、手先なら手首、足先なら足首です。各首はウェア同士の隙間なので冷気が入りやすく、暖気が逃げやすくなっています。各首は細いので動脈が外気の影響を受けやすい箇所です。末端部位を温めても、送り込まれる血流が冷えてしまっては温まりません。

頭部なら首元。ネックゲイターやジップネックのウェアで保温。f:id:yoshida1487:20201215124024j:plain

手先なら手首。サムホール付のウェアやカフの長いグローブで保温。

カフが短いグローブは袖口に入れたほうが保温性は上がります。f:id:yoshida1487:20201215124113j:plainf:id:yoshida1487:20201215124137j:plain

足先なら足首。ロングソックスやゲーターで保温。雪山でなければレッグウォーマー。

スノーゲーターはオーバーパンツの中に入れた方が保温性は上がります。f:id:yoshida1487:20201215124740j:plain

 冬用登山靴なら足の熱を閉じ込めて、保温性をキープしてくれます。f:id:yoshida1487:20201215124911j:plain

寒さ対策は、ウェアの隙間を埋めることが大事です。 

よく足先が冷えるので靴の中に使い捨てカイロを入れる方がおられます。靴の中が窮屈になってしまうと、圧迫されて冷えの原因になるので注意が必要です。カイロは鉄粉が酸化して発熱するので、靴の中の酸素が乏しければあまり発熱しません。もちろん汗で濡れても発熱しません。そして、鉄は熱の伝導率が高いので発熱しないと逆に冷えてしまいます。ソックスやインソールで工夫したほうが良いです。 

良い靴履いても、良いグローブ着けても、良い帽子被っても隙間があれば効果半減。

冬山は自然環境の影響がとても大きくなります。寒さは隙間から襲ってきます。装備不足で寒さに凍える事が無いように、100%の準備で出掛けるようにしましょう。

雪山への準備

f:id:asahiryuta:20201215124223j:plain

2020年11月下旬は立山に滞在していました。

今年はラニーニャで積雪が多い!という予報でしたが11月には寒気があまり入らず。

積雪は少なかったですが、やはり白と青のコントラストは素晴らしいですね。

f:id:asahiryuta:20201215124314j:plain

社会の喧騒を忘れさせ、生きているという実感を感じる事が出来る雪山。

みくりが池も凍結してます。

f:id:asahiryuta:20201215124726j:plain

この投稿をしている2020年12月15日は、かなり強い冬将軍がやってきて各地に降雪をもたらしています。さあ、雪の準備をしっかりして雪山にGO!!

机上講座も開催中ですし、好日山荘ではお得な企画も開催中ですよ!

 

冬が来る。

寒い冬が来ますね。来週はいよいよ西日本の山間部でも降雪しそうです。

個人的な冬の訪れは、自転車で手袋をするタイミングですが、今朝はまだ素手でした。

冬でも温暖な気候と高い晴天率の瀬戸内の平野部は今が登山シーズンです。先月は岡山にて人気の里山に。空っ風が冷たかったですが、晴れの国は天気が大崩れする事は稀です。f:id:yoshida1487:20201201141032j:plain

山頂でピクニックを楽しむ岡山店のボス。20分の休憩時間で、パッと出してパッと食べてパッと片付けていました。食後のコーヒーまで!行軍のような機敏さに笑えました。用意周到です。f:id:yoshida1487:20201204142919j:plain

翌日は和気町にある人気のご当地アルプス。低山とは思えない岩稜と本家顔負けのネーミングが面白い。歴史がある岩場です。

f:id:yoshida1487:20201204142717j:plain

f:id:yoshida1487:20201204144108j:plain

広島に戻って陽射しがサンサンの登山道でお仕事。瀬戸内海沿岸部はこれからがベストシーズンです。ここからDASH島までは50kmくらい。見えているのか?f:id:yoshida1487:20201207134038j:plain気持ちの良い落ち葉サクサクの陽だまりハイクでした。f:id:yoshida1487:20201207171437j:plain温暖な瀬戸内と豪雪地帯に指定されている西中国山地は南北50km程の距離しかありません。全く違う景色を味わえる冬は山の楽しみ方が広がります。来週の寒波がどれくらいの積雪になるのか楽しみですね。 寒気予想はコチラから。

秋から冬へ。

紅葉も落ち葉にかわり、季節は本格的な冬を迎えます。

まだ寒気は下りてきていませんが、風が冷たいです。f:id:yoshida1487:20201120121639j:plain

 

今年の秋は天候に恵まれて良く歩き、良く遊べました。

温かい日は岩の上でくつろいだり。f:id:yoshida1487:20201119163704j:plain

日当たりが良い岩で挟まったり。f:id:yoshida1487:20201119163741j:plain

寒い日は日溜まりであーだ、こーだと研究してみたり。f:id:yoshida1487:20201119163809j:plain

天気が悪い日は雪山装備を出してみたり。f:id:yoshida1487:20201119165044j:plain今シーズンは雪はどうなんでしょうか?予想も噂も期待大です。

そういえば、今年は駐車場のトイレにカメムシの姿がありません。改装したからなのか?ここだけなのか?何かの予兆なのか?虫の知らせは、どちらを示唆しているのでしょうか。

里山縦走は工夫しだい。

先日の講座もよく歩きました。市街地近郊で、車道を跨がない16㎞のトレイルは貴重です。アプローチ含めて20㎞弱、10時間行動でした。みなさん健脚で良かった。f:id:yoshida1487:20201116145559j:plain

普通、登山計画の基本は早出早着ですが、私は敢えて出発時間を遅くしています。その理由は2つ。

①朝食をしっかり食べていただきたい  ②下山時刻に焦らない

①は長い行程を歩くために必要なエネルギーを事前にしっかり採っていただく事。疲れると消化も悪くなります。②は下山時刻と日没を気にせずに歩く事。日が暮れ始めると気が急いてしまいます。下山を日没後と計画すれば夜道も楽しく歩けます。たぶん。f:id:yoshida1487:20201116145657j:plain

もちろん、どちらも綿密な登山計画の中にあります。リタイアからエスケープ、傷病対応まで不測の事態を想定できているかが大事です。何事もなければ、OKという事ではありません。

f:id:yoshida1487:20201116145522j:plain人気の山も、西日が照らす頃は貸切状態。風もなく穏やかでした。

 

地理院地図のルート断面図。上図が前回の講座16㎞ルート、下図が今回の16㎞ルートです。

f:id:yoshida1487:20201117122124j:plain

多少デフォルメされていますが、一見下図の方が山塊が大きく大変そうです。でも実態は上図の方が体力的にキツイかったです。細かいアップダウンが続くと下半身へのダメージが早めに現れてきます。どちらも累積標高差(±)1500m程なのですが、蓄積された疲労が現れるタイミングが違います。下図は14㎞過ぎからの下りでダメージが現れ始めますが、ゴールはもうすぐなので、精神的には楽です。

 16kmは意外に長い。上高地からだと、穂高岳山荘くらいまで行っちゃいます。ずっと登りですけど。

里山縦走の特徴はこの細かいアップダウンの連続です。景色は楽しめませんが、鍛えられます。 雪山でラッセル苦手な方には良いトレーニングです。