好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

山岳コーチとしての活動

高校や大学の山岳部のコーチとして
雪山に入山することが多いここ最近でした
自然という美しくも厳しい世界で
彼らが何を捉え何を感じ学んでいくのか、、、
それは彼らが今後の登山の成功や
人生を生き抜く力を得とくしに、、、
自然に鍛えられ教えられることが多いと感じます
どのような活動か一部ですがご紹介

f:id:shimadaguide:20170401182127j:plain
滋賀県リトル比良で早速道に迷う高校山岳部
「自分達でなんとかせーよ!」
そもそもコンパスのノースマーク
目指したらそら迷うでしょ(笑)

f:id:shimadaguide:20170401231915j:plain
雪山歩行、ラッセル、ルートファインディング
訓練を重ねて琵琶湖を眺めながら下山
学生達も景色に感動しにこにこ いいものです

f:id:shimadaguide:20170401232810j:plain
国立登山研修所の大学生リーダー研修
講師のラッセルに着いていけない学生
そして叱咤がしがむしゃらにさせる!

f:id:shimadaguide:20170401233134j:plain
冬山といえばやはり雪洞がつくれないと!
テントよりも密封性が高いので温かいんです
雪が柔らかかったので5人分を2時間で作成

f:id:shimadaguide:20170401233457j:plain
雪崩に遭遇しないために知識や技術を身につけ
状況判断力を育成しますがいざというときのために
雪崩捜索訓練もしっかりと行います

f:id:shimadaguide:20170401234227j:plain
同志社大学山岳部の未踏峰の遠征の事前合宿
彼らがあらゆるリスクを感じとり回避できるよう
厳しい条件の錫杖岳で行います

f:id:shimadaguide:20170401234334j:plain
f:id:shimadaguide:20170401234353j:plain
f:id:shimadaguide:20170401234652j:plain
雪壁や雪稜でのリスクを最大限に回避し
頂上を目指す 見守るのはもうどきどき
でも彼らの判断の質を高めるために
精一杯がまんしながら口出し多め(笑)

f:id:shimadaguide:20170401234707j:plain
満面の笑み そして達成感
この日の行動時間は13時間
集中力切らさずに頑張ってくれました
そして家に着いたのは朝の3時
あーつかれた ちゃんちゃん

島田ガイド事務所
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/index.html

平尾台 「クリーン大作戦」へ参戦!

九州では、平尾台、くじゅう、阿蘇などの野焼きが完了して、山肌はまだモノトーンの世界です。
間もなく、山はいっせいに芽吹き、キラキラした緑に一変、足元は春の野草で賑やかになる事でしょう。

3月25日、平尾台で「クリーン大作戦」が行われました。
地元の方をはじめたくさんの方が参加されていました。

f:id:kawano1430:20170401125800j:plain


道の脇に瓶、缶、タバコの吸いがらなどがたくさん落ちていました。
平尾台の野焼きの後は特にゴミが目立つそうです。
以前は、粗大ごみがドリーネの中に捨てられていたとの事…。

作業後みんなのゴミ回収の袋はたくさんの数になりました。

f:id:kawano1430:20170401125828j:plain

一人一人の意識で自然を大切にしたいものです。

終了後は、ボランティアの方が作って下さった温かいぜんざいを頂きました。
冷えた体が温まりとてもおいしかったです。

f:id:kawano1430:20170401125930j:plain

毎年行われていますので、興味ある方は来年参加されてみてはいかがですか。

終了後、山の様子を見に貫山へ登りました。
雨予報でしたが、天気は回復気味で日差しも出てきました。
もう少ししたら、ヒトリシズカ、オキナグサなどの野草が楽しめそうです。

f:id:kawano1430:20170401130004j:plain

★4月3日、福岡パルコ店にて「季刊のぼろ」VOL16号のトークイベントを行います。
特集平尾台の豊かな植生や春に登ってほしいルートの紹介、
さらに花を美しく撮るワンポイントアドバイスもしてくれますヨ!
詳細・お申し込みはこちら↓↓↓

http://www.kojitusanso.jp/school/classroom/?sdt=2017%2F04%2F03&edt=2017%2F04%2F03&ar=21&ki=&page=1&mode=serch

残席わずかです。お気軽にご参加ください。

季節の変わり目Vol.1

f:id:asahiryuta:20170327181135j:plain

3月下旬になりました。年度末で忙しい方も多いと思います。お疲れさまです!いよいよ来週から4月。街では桜の開花が始まり、花見や入学のシーズンですね。

標高の高い山でも徐々に気象が穏やかになって来ます。朝夕は肌寒いが、日中は日差しが強く暑く感じる。とはいってもあたたかそうな上の写真も、気温はマイナス10度。街に比べればまだまだ冬ですが厳冬期に比べれば行動しやすい季節。日差しが強くなると言う事はサングラス、日焼け止め等の紫外線対策が大切になります。またこれからの季節は朝夕は肌寒いが、昼は暑い。日差しは暖かいが風は冷たいといった、相反する条件に対応するのは汗処理を優先したレイヤリングが役立ちます。

個人的にはファイントラックさんのスキンメッシュシリーズの手袋、靴下、アンダーウェアはこの非常に重宝して、おすすめです。

finetrack(ファイントラック)スキンメッシュロングスリーブ メンズ / ブラック(S BK): 登山・アウトドア用品登山用品・アウトドア用品の通販専門店 好日山荘

f:id:asahiryuta:20170327183310j:plain

これから徐々に気象が穏やかになってくる山ですが…注意しなければいけません。こ〜んなにいい天候でも…f:id:asahiryuta:20170327183235j:plain

2時間後には雪も降り、視界不良。風も強く降りはじめて体感温度は一気に真冬以上のマイナス…山の天気は変わりやすく急変します。春とはいっても、山の気候はふもととは違い、気温もまだ低く、天候が急変して雪が降ることもあります。山の天気は地形や風により、平地の天気とは異なります。

春山に対する認識、気象条件によって起きる様々なリスクを想定し不十分な装備、技術、体力的に無理な計画などが無いように気をつけたいですね。

また最近は皆さん天気予報等の情報がインターネット等で入手しやすい事等もあり、天気を見て入山されていたり、ご自身でも勉強されているかと思います。実際の山ではこれから天気がどう推移するのか、予報をだけでなく現場を見て、実際との差異はどうなのか等を考えて行動するとよいかと思います。

個人的には、悪天候や厳しい登山の方が実は思い出に残ったり経験になったりしていますが、やはりこの写真のように天候に恵まれれば楽しい登山の1日になりますね!

季節の変わり目、どうか安全に山を楽しんでください〜

※好日山荘マウントラボ名古屋では旭ガイド塾、井坂ガイド塾を開催中です。

https://www.kojitusanso.jp/school/classroom/?sdt=&edt=&ar=15&ki=&page=1&mode=serch

春を告げるマンサクを見に!

だんだんと暖かくなり、山でも花がいっせいに芽吹き出す頃ですね。

九州からマンサクの便りです。

マンサクは春に他の花に先駆けて咲くので「まず咲く花」ということで
だんだんと「まんさく」になっていったという説があります。
葉よりも先に、黄色の変わった形の花をつけます。

f:id:kawano1430:20170323202433j:plain

 鹿児島県霧島連山にある大浪池の周囲は満開を迎えるとマンサクのアーチが出迎えてくれます。
あと、1週間もすればマンサクのアーチを楽しめるでしょう。

f:id:kawano1430:20170323202343j:plain

大浪池と韓国岳をセットで歩けば、日本百名山の一つにも登頂できますよ。

また、冬~春にかけては、朝晩は冷え込み、朝のうちは霜や氷が張っています。
朝は、霜を見たり踏む感触を楽しめますが、帰り道は、どろどろのぬかるみになり滑りやすいです。
滑らないように気を付けて歩く事と、ゲイターを付けて、パンツが汚れるのを防止すると歩きやすくなります。

f:id:kawano1430:20170323202353j:plain

この時期は、暖かければ景色のいいところでのんびりランチも楽しめます。
この日は、風も弱く、のんびりと山頂であたたかいポトフ作って景色もゆっくり楽しみました。
山頂の気温は14℃でしたので、じっとしていると冷えます。
雨具、フリースなどの防寒具は必須です。風が吹くとまだまだ寒いですヨ。

f:id:kawano1430:20170323202514j:plain

 今現在、新燃岳へは立入規制区域があります。

韓国岳から続く、新燃岳~中岳~高千穂峰を眺めました。

f:id:kawano1430:20170323202526j:plain

行きは大浪池を西周りに歩き、往路は東周りに歩いて帰りました。
行程時間約6時間です。

さあ、春です。

花を楽しむのもいいし、暖かな気候をのんびりと楽しむのもいいですね。

帰りは、温泉も楽しめますよ。

まずは、ボチボチ歩きましょう。

ウロウロしてみる。

今シーズンは雪が多く残りそうです。先日も、伯耆大山で遊んできました。f:id:yoshida1487:20170318173709j:plain

このエリアは登山者が少なく、登山に集中できるのでお気に入りです。その代り、ラッセルは覚悟しなければなりませんが。f:id:yoshida1487:20170318180733j:plain

目指すルートが登れなかったので時間が余り、ウロウロしていると新たな発見がありました。キョロキョロしたり、ウロウロしてみるものです。f:id:yoshida1487:20170318173601j:plain相変わらず雪は重たいです。また来シーズンに新しく発見したモノを探究します。

冬の水分補給と水筒について

f:id:asahiryuta:20170315224536j:plain●冬の水分補給の注意点

①凍らせないこと。ペットボトルでは気温が低いと凍ってしまいます。ハイドレーションは、凍らないようにホースにカバーを付ける対策も必要です。(自分は細かいギアトラブルが嫌なので冬はハイドレーションを積極的に使いません。)サーモスをバックパックの外にという方を度々見かけますが、保温しておきたいのであればオススメしません。積雪期、無積雪期に関わらず命に関わる大切な水分はバックパックの中がよいですね。

②必要な水分は必ずとること。乾燥する冬、冬でも水分量は非常に大切で、少ないと血液が粘り抹消の血液循環が悪くなり、凍傷にかかる恐れも有ります。→意識的に多めに水分をとる、休憩時はまず水分をとる等の習慣を意識しています。

 

f:id:asahiryuta:20170315224249j:plain

と、いう事で最近の登山やバックカントリー(テント泊含まず)で使用している水筒です。

ご存知、THERMOS(サ-モス)山専ボトルは通年大活躍です、このおかげで温かい飲み物がいつも飲めます。

折りたたみが出来てコンパクトになるハイドラパックは気温が低くない山で。※一部の好日山荘店舗で取り扱いしていると思います。

沢山水分をとるような山行にはナルゲンの1Lボトルを凍らない様に保温ケースにいれて。冬はバックパックの中でも簡単に水分が凍結していきますので…。

クリーンカティーンにはコーヒーや甘い紅茶を入れて。※主に移動時に使用が多いかな。

以上をメインに、2種以上を組み合わせて冬は使用しています。

街では春に季節が推移していますが、山は今の時期でも雪が降るし、気温ももちろんマイナスです。これから、残雪期に変わっていきますのでより水分が必要になると思います。雪山でも意識的な水分補給を意識してみてください。

 f:id:asahiryuta:20170315224641j:plain

●おまけ

チェーンアイゼンをリニューアルしてみました。(CAMPの物)八ヶ岳の赤岳鉱泉までのアプローチなどで主に使用していますが、非常に便利です!

 

冬後半

f:id:KatsuhiroYamashita:20170313171054j:plain

11月になると長い冬が始まるな、と思いますが、

3月になるとあっという間に過ぎた、と毎年感じます。
勿論まだ冬は終わってないですけどね。
これからは晴れた昼は春、一旦荒れたら真冬です。

写真は3/12の鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳(左から)

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170313171115j:plain

私の冬のガイドはアイスクライミングが殆ど。
今年も北海道はじめとして色々なところへ氷を叩きに行ってきました。

氷瀑が発達するにはただ寒いだけでなく、時々気温上がり、

雪が溶けたり水流が発生して、氷にまた氷が上乗りされると大きくなります。
今年はそこそこ寒波もあり、気温上昇もあり、なかなかいい氷ができてます。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170313171243j:plain

先週末、長野県菅平の宿に泊まった時、そこのオーナーの話では、
昔は菅平の雪はサラサラだったが、近年は重い湿気った雪が多いと話してました。
原因は諸説ありますが、環境は変化してると感じます。

日本のこの緯度で大量の雪が楽しめるなんて幸せです。

そしてこの雪と土地が美味しい水を作ってくれます。

 

f:id:KatsuhiroYamashita:20170313171351j:plain

写真は八ヶ岳でのレスキュー訓練。

冬はシート搬送で雪の上を引きずる方法が講習会等で行われますが、
これは要救助者にとっては地獄です。より悪化します。
私も訓練で2時間以上シート搬送されたことがありますが、
冷えて低体温症になる手前、直接雪の上で引きずられるので乗りごごち最悪。
それでは救助ではなく、ただの物の移動となってしまいます。

安易な技術、技術に溺れた技術は使わない方がいい、ということです。

 

この訓練ではレスキュー用のボートを使い生身の人間を入れて、

雪の上を移動して滝を降ろして、小屋まで搬送しました。

保温の手当てもちゃんとしてますが、1時間以上も入っていると

要救助者役には試練です。