好日山荘 ガイドコラム

好日山荘契約ガイドによる山のコラム

◯◯AWARDって一体??

先日、好日山荘でも取り扱うバーグハウスの「EXTREM 8000 PROJACKET」が「ISPO MUNICH 2016」GOLD受賞をいたしました。

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ISPOでのGOLD受賞の際に絶賛された、バーグハウス独自の新技術「Xpanse Technology」をフード、背面、あご部に搭載。加えて、高い通気性・耐久性と軽量化を実現し、厳冬期の山に必要とされる様々な機能を兼ね備え、信頼のおけるGORE-TEX®Proを採用したアルパインジャケット。

先日こちらの商品を試着してみましたが、特に背面の作りが個人的にすごく良くとても印象的でした。

 ん、

ISPOってなんでしょう???

ISPO

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毎年1月下旬から2月上旬にかけてミュンヘンで開催される世界最大のスポーツ用品見本市ISPO」。

このイベントには世界中から大小さまざまなブランドが集まりアウトドア・スキー・アクションスポーツなど、欧州市場をターゲットとするありとあらゆるメーカーが世界中から集い、来シーズン以降にお目見えする新作たちが発表されコンペティションが行なわれます。

ISPOに合わせて新商品発表をするブランドも多く、翌シーズンのトレンドがISPOで決まると言われる程、各ブランドやアウトドア業界にとって重要なイベント。

簡単に言いますと世界中からアウトドアメーカーが集まる展示会、そこに世界中から辛口評論家やバイヤー、お店スタッフなどの業界関係者が集います。そんな場所でそこに集まる数ある商品の中から選ばれた物という事です。※私流の説明です。

ですから非常に名誉ある事なんです。そして間違いない、太鼓判のギアという事なんです。

 

他にもタグや商品説明にISPO AWARDのような事が書いてあるのを見た事がある方がいらっしゃると思います。

例えば…

アメリカ『BACK PACKER』誌の選ぶエディターズチョイス

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アウトドア製品の分野で権威ある賞といえばアウトドア専門誌『BACK PACKER』が1993年から毎年発表している「EDITOR'S CHOICE AWARDS」(エディターズチョイス)。『BACK PACKER』誌の編集者が、世界中のメーカーから発売された数多くの製品を編集者自身が過酷なフィールドでテストを行い、様々な性能を検証し、その年に最も優れたアウトドア製品と判断された製品だけに与えられる栄誉ある賞です。

他にも、

 Backcountry Magazine ”Editor’s Choice Award”

 Outside Magazine ”Gear of the Year”

などなど

他にもちょっとジャンルは違いますが日本のグッドデザイン賞なんかもありますね。

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Good Design Award

自分は今までの経験からギアを選ぶ際に上記のような賞をもらっているという事はプラスαにしています。間違いなくハズレはないです。むしろ、なるほど〜とかやっぱりイイねなんてのしかないです。

※個人的なレビューです。

日本では認知度が低い事かもしれませんが、皆さんもギアを選ぶ際に参考にしてみてくださいね。

 

防災キャンプ

HuMA=災害人道医療支援会
から依頼された講師のお仕事です

タイトルは「防災キャンプ」
という名の盛り沢山日帰りキャンプ!
兵庫県加西市の古法華キャンプ場にて行いました
http://www.naturepark-furubokke.jp/camp.html

災害時に国内外問わず医療支援活動をされる方々
http://www.huma.or.jp/about/about.html
(ご支援いただける会員さん募集中です!)

さすがに段取りよくテントを設営し薪を集めます
被災地での活動では時には生活を全て自分達で
作り上げなければならないものです
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カレーライスが定番ですね
具材をいんじゃんでほい(じゃんけんの事です)
で奪い合い! 飯ごうから目をはなして丸焦げ!
ハプニングから人は学ぶものですね(笑)
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午後からは地形図やコンパス、GPSを利用して
寸断された道路が使えず山から被災地に進入!
というふりをして岩場や藪こぎを越えて、、、
「えっ!ここですか?」
→「知らんぷりして行くぞ~」みたいな
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最後は簡単なロープワークや搬送など行い
あっという間の一日が終わりました

みなさんにもこういう遊び方!研修?
おすすめです
半日キャンプ場でゴロゴロ
半日山登りでスッキリ
ってどうですかー
関東、東海、関西などの太平洋側の都心部は
これからの季節でも日溜まりになれば
テントの中はポカポカで快適ですし

このような研修をご希望される団体や個人グループ
おられましたらぜはご相談くださいませ
好日山荘デイキャンプ企画しようかなー

島田ガイド事務所
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/

読図実践と危急時対策実践

先週末は丹沢大山にて読図山行、湘南鷹取山にて危急時対策の実技講習を行ってきました。

 ■ 丹沢大山 読図山行

土曜日は雨でしたが、それほど降らずなんと催行できました。
基本の「等高線を読む」、「コンパス1-2-3」
で地形、道を確認しながら登頂しました。

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 雑誌や本の文字を読んで理解しようとする難しいイメージありますが、

机上講習した後に実践を行うと理解しやすいと思います。

これを機に、今後も地図で確認しながら登山する習慣がつければ、
「読める人」になると思います。

 

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紅葉が綺麗でした。

 

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■ 湘南鷹取山 危急時対策
日曜は気温上がり、前日とはうって変わって半袖で過ごせる1日でした。

鷹取山へ行き、危急時対策の話や実技を行って来ました。
必要なものは「防御力」です。

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読図、ビバーク、FA、搬送、最後は体力です。実技・話を行ってきました

 

鷹取山は横浜近辺のクライマーにとっては聖地で、私も横浜にいた時代はよく行きました。
20年ぶり以上の再訪です。
ハイカー、クライマー、コスプレのグループなど色々な人達が沢山いました。
一方途中の道は神社がある静かな道で、町から近い自然もまた楽しかったです。

山麓は秋色ー稜線は冬色

先週末は
甲斐駒ヶ岳から鋸岳へテント縦走の
ガイドに行ってきました
山麓は秋色ー稜線は冬色
季節の変わり目の南アルプスは
どんな様子でしょうか
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標高1000-1500mあたりの紅葉
特にカラマツの黄葉が美しい
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北沢峠から駒津峰 2000m-2700m
南斜面でも所々雪が残っています
気温の高さや日射もあり雪が腐り
ここはアイゼンなしで登っていきます
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さて甲斐駒ヶ岳から北面に入ると
一気に様相がかわり冬景色
アイゼンとピッケルの世界に
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鋸岳手前の稜線でビバーク
甲斐駒ヶ岳と夕陽が素晴らしい
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第二高点より鋸岳
積雪はないようですが、、、
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日照時間の少ない北面に入ると
なかなか手強い雪斜面
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頂上です
この山域の素晴らしい所は360度の展望ですね
北アルプスと中央アルプス
その間には乗鞍、御岳、白山
もちろん八ヶ岳に富士山も
その先は悪ーい長ーいガレ場下降
集中力を切らさず無事に下山となりました

と下山口にはこのような看板が!
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そう道中 軽装でアイゼンなしの登山者に
会いました 鋸岳の北側の下りは断崖絶壁
命はひとつ ハイキングシューズでの下山
を見てるのはほんと心臓に悪かった、、、

道中のアイゼン使用率はたった1割ぐらい
だったでしょう
それでも安全を担保する重要な装備ですね
下界から見た山に雪が無さそうに思う程度
でも最悪を想定して安全に登山ができる
考え中や準備をしたいものですね

フリースのお話

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軽量ながら保湿性があり、速乾性があるミドルレイヤーの定番フリース一言でフリースと言っても様々な物があるのを知っていますか?フリース(fleece)とは、ポリエチレンテレフタラート(PET、ポリエステルの一種)で作られた柔らかい起毛仕上げの繊維素材。商標であるPolartec®が最も知られています。

レインウェアで使われている素材が色々あるようにフリースの素材も色々あるのです。レインの素材も色々なメーカーから出てますよね。皆さんご存知のGORE-TEX®が防水透湿性素材の代表格ならフリースにおいてはPolartec®今回はそのPolartec®(ポーラテック)やフリースについて書かせていただきます。

「Polartec®」は高機能素材をアウトドア、ミリタリー、工業ワークウェアの分野へ提供し続けているテクノロジーカンパニー。使う用途や環境により色々な素材を作っています。

快適性 Polartec® PowerDry Polartec® PowerStretch Polartec® PowerGrid

防風Polartec® Wind Pro Polartec® Windbloc Polartec® Power Shield Polartec® Power Shield O2

保温 Polartec® Classic Polartec® Thermal Pro Polartec® Thermal Pro High Loft

Polarfleece® 

横文字だらけでなにがなんだか分りにくいですが、用途別に色々な素材を作っているのです。

快適性は、肌着やミドルレイヤーに適している物。保温性は、フワフワのフリース。防風性は、アウターシェルやアウターにも使えるミドルといった感じです。

 

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このようにウェアにタグが付いていたり商品に表記があったりしますよね?

人は恒温動物です。登山中も体温が上がれば体温を一定に保とうとし、冬でも汗をかきます。また日本の山は標高が低い樹林帯の登りから森林限界を越えて風に曝されるエリアなど極端な環境変化があります。運動負荷と気温変化に応じて、着たり脱いだりが必要な訳ですが、なるべく幅広く体温調整ができるウェアが便利ですよね。

登山用に開発された素材、デザインされたフリースウェアは当然、その”使用環境”を考えた上で開発されていますので、動きやすさや、快適性や保温性はファッションや街着向けに作られた物と断然違います。

裁断と縫製で言えば立体裁断で腕や体の動きを妨げなかったり、違う素材を使ってストレッチ性や通気性を高めたり、ザックを背負った時に縫い目が当たらないようにしたりと動く事を考えて作られてます。

写真で例をあげてみます。

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例1:表はこんな感じで毛足の長いフリース。

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例1:↑のフリースは裏地に防風素材がラミネートされていて風を通しません。アウターにも使えるフリースです。

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例2:例1のように毛足は長いのですが…

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例2:裏は通気性が非常に高い。このモデルは汗をかきやすい脇下部分の素材が別の素材を使用してより通気性がよくなっています。単体では風を通すのですが、メインボディは毛足が長い素材。このフリースの上にアウターを着れば羽織ればあたたかです。見た目は例1と同じですが2つは全く別物です。形や裁断についてはお店でぜひ見て見てください。

私も沢山のフリースを所持していますが、登山には最近、Polartec® Power Gridのフリースを多く活用し、フード付きの物を愛用しています。この素材は通気性が非常に高く、単体で着ると風を通しますが、風を防ぐシェルを着てしまえば非常に暖かい。ストップ&ゴーが多い登山でのレイヤリングに適しているフリースです。格子状の凹凸のおかげで汗を吸ったり乾かしたりの効率が高く、「私は汗かき」とか基礎代謝が高い方なんかにもおすすめです。

www.kojitusanso.com

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フードは目出し帽のようになりますので、肌寒い日や夏山でも標高の高い場所、ネックウォーマーいるかな?なんていう季節の変わり目などにも重宝します。

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登山をしない方はフリースと言えば冬の物ですが、登山者は通年使う道具です。自身のお客様にも「このフリースあたたかそうと思って買ったのに寒いとか、暑すぎる」とか色々な事をよく言われたのがこの寄稿をさせていただいたキッカケでした。素材だけでも多様なバリエーションがありますから、店頭でスタッフにお声がけいただき、ご自身の用途にあったフリースを選んでいただければと思います。

遭難対策

昨日は好日山荘グランフロントにて、
「遭難事例から学ぶ判断力」という内容で
講義をさせていただきました。

お伝えした事は、自然の動きや人の動きに
「気がついてください」
めちゃくちゃ見て感じて判断するための
材料を集めてください。というものです。

所属する日本山岳レスキュー協会
http://nmra.comyu.org/
にて過去に捜索した事例や、
参加された方々のヒヤリハット話、
私の体験談などのほとんどは、
山岳環境の危険因子以上に、人の心理や動作が事故の
きっかけであると改めて感じるものでした。

先週の六甲の危険な熟達者ルートで、親子四人に会って驚いたものです。判断力のない小さいなこどもは
浮き石や濡れ岩を介さず歩き、親御さんもその危険をあまり認識されておらず、私達がロープを張り安全に下山してもらいました。←ちなみに田中敦ガイドがその親子にルートを尋ねられ、命にかかわるからやめた方がよいと注意されていたそうでしたが、、、

過保護ぎみな日本社会で失ったものは
危険察知能力!状況判断力!生命力!
あーなんだかもったいない
一般社会ではそれらがなくても、死にはしないかもしれないが、山ではすぐ死に直面してしまいます。

山をちゃんとやってる人たちは、
自立して判断できる能力が高い!生命力あり!
もっとも分かりやすいのはテント登山ですね
うーん来年はテント登山教室をしよーかなー

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島田ガイド塾 テント登山実技
日帰りでテント登山をミニマムに体験
食材買出→パッキング→登山→テント設営→下山→片付けと一連の流れを一日でやってます

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10月国立登山研修所 山岳遭難救助研修
参加される研修生は肉食系消防警察自衛隊

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11月日本山岳ガイド協会 ファーストエイド研修
HuMA(災害人道医療支援会)の救急医や救命士から
学ぶのでほんとに、役立つ学びになります。

島田ガイド事務所
http://www7a.biglobe.ne.jp/~naturalstyle/

ストーブ

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2015年冬からSOTOのストーブを使用しています。

主に使用した2機種と、そのシチュエーション例を記載しますのでこれからストーブを買う方のご参考になればと思います。

風に強く寒さに強いストーブ

マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター

※上の写真、ゴトクはオプションを使用。

●使用シチュエーション:主に夏期 ※冬期は積極的に使う場面ではなく危急時用に。

●発熱量:2800kcal/h

軽量な上に使える。2016年の夏山では常にバックパックの中のストーブはこれでした。本体は69g。それに軽量化重視、危急時のみを想定した場合は付属のゴトク7gを。調理を想定した場合にはこの別売りオプションのフォーフレックス27gを使用。火力も夏山には十分な程です。山小屋泊でお湯を沸かしたり、お客さんとちょっとコーヒーなんて時に使いました。オプションのゴトクは折りたたみ式でかっこよく、こんな事良く考えたな〜と思うまさにメイドインJAPANという感じの作りです。本体の見た目もすっきりで2013年のグッドデザイン賞を受賞しているのも納得。

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そして世界が認めた新次元のガソリンストーブ

MUKAストーブ

●使用シチュエーション:冬期、または重量を気にしないキャンプ時など。

●発熱量:4000kcal/h 

ガス式の場合、寒冷下では徐々に出力が低下してしまいます。寒いなかで料理をと思っても、「火が点かない!」なんてことも。その点ガソリン式はジェネレーターを加熱して気化させる仕組みなので、寒冷地でも使用可能。寒さに強いことは、ガソリン式の大きなメリット。そして火力が強い。ガソリンストーブの魅力は火力!火力が強いことで、水が沸騰する時間も短くすぐ調理ができます。特に冬期は雪を溶かし水を作り沸騰させますから、寒い雪上では強い味方。さらに予備ガソリンを持っていけば燃料を気にせずにガンガン使えるのもガソリンのよい所。ですので冬期にストーブを使うというシチュエーションでは火力の強いガソリンストーブを主に使用しています。

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そしてご存知の方も多いと思いますが、こちらのMUKAストーブの売りはなんとプレヒートなし!プレヒートといえば予熱作業や使用後のメンテナンス、道具に対する愛着をいっそう深めるいわば「儀式」の一つで私もそれが好きで使用していました。

しかし、このプレヒート作業はストーブをずっと使うというシチュエーションではよいのですが、ガスストーブのように火を止めたり付けたりと使いたい場合には不向き。このMUKAストーブはプレヒートいらずで付けたり消したりが非常に簡単に行なえるのです!ガソリンストーブのよい点である火力の強さと、ガスストーブの扱いやすさを併せ持つガソリンストーブ。以前は他社の信頼のガソリンストーブを愛用していましたが、このプレヒートなしの便利さ故に最近のメインはMUKAストーブです。

www.kojitusanso.com

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以上、個人的なレビューでございました。

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オマケ。このポケトーチも大活躍!